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沈没船不明者を捜索中の水産庁船と韓国貨物船衝突…玄界灘


沈没船不明者を捜索中に韓国貨物船と衝突、船体左側を損傷して浸水した水産庁の漁業取締船「からしま」(6日午後2時15分、福岡県・沖ノ島の北東約50キロで、本社ヘリから)

 6日午前7時35分ごろ、福岡県・沖ノ島の北東約50キロの玄界灘で、水産庁九州漁業調整事務所(福岡市)所属の漁業取締船「からしま」=499トン、小野寺隆一船長(42)ら16人乗り組み=の左舷前部に、韓国船籍の貨物船「コレックス・クンサン」=4044トン、金允煥船長(52)ら13人乗り組み=の船首が衝突した。

 からしまは船首付近から浸水、船体が傾いた。乗員は全員、近くにいた別の漁業取締船「海鳳丸」に救助されたが、2等機関士、畠山■夫(みつお)さん(56)(宮城県気仙沼市東みなと町)が軽傷を負った。クンサンの乗組員にはけがはなかった。(■は端の左が山へん)

 福岡海上保安部などの調べによると、現場から南西約25キロの海上では、パナマ船籍のコンテナ船が2日、鳥取県の巻き網漁船「第18光洋丸」に衝突、漁船は沈没し、乗組員6人の行方が分からなくなっており、からしまは門司海上保安部の巡視船などと捜索中だった。船首部分がほぼ水没、サルベージ船が破損状況などを調査、えい航できるか検討している。

 事故当時、現場海域には海上濃霧警報が発令中。視界は約400メートルと見通しが悪かった。

 からしまの乗員16人は6日午後、海鳳丸で博多港に運ばれた。小野寺船長は船内で会見し、「事故当時、霧が濃くて視界はほとんどなかった。クンサンが早めにかじを切ってくれれば、衝突はなかった」と話した。

 福岡海保は業務上過失往来危険の容疑で両船の関係者から事情を聞いている。

 クンサンは岡山県・水島港を出港。鋼材を積んで韓国・浦項港に向け航行中だった。



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